#3 趣味って、本当にお金かかりますね
でもほしいコレクターの性(さが)

趣味って本当にお金がかかりますね。料理人で言えば、切ることを目的にした包丁、切れれば何でもOKって訳には行かず、数十万、数百万とお金をかけてしまうような「こだわり」と似ていますが、凝るとついつい目先のことも考えずに手を出してしまうものですね。

もう数年前の話になりますが、こちら米国内のとあるコールマンコレクターさんのお宅へ初めてお邪魔した時のお話をちょっとさせていただきます。家を見た瞬間、コールマンであふれかえっていました。正確には、おとぎ話に出てくる“お菓子の家”が目の前に広がっていれば、「お菓子の家!」って具合に分かるように、車を寄せるスロープから前庭、ガレージ辺りの外観が目に入った瞬間、「コールマンコレクターの家っ!」て具合でした。

事前に電話をしていた事からそんな“演出”をしていた訳ではなく、彼からすればリタイアをした今、毎日朝から晩までオールドコールマンのレストアに時間を費やす毎日を送っていました。そう、彼からするとガレージの扉を明け、ガレージの中でいつもどおり作業をしていただけでした。

こちらアメリカの典型的な家と言えば、母屋とガレージが一体となった平屋で、多くの人はガレージに車は入れず、ウッドクラフトや他の趣味のための作業場的利用をしている人がほとんどで、彼のガレージは産業廃棄物捨て場の山の中、手に取るもの全てがオールドコールマンの山、山、山って感じで、ミントコンディションのクラムケース入りバーガンディー200Aや501ストーブ、その他お宝物が、そこら中に無造作に転がっていました。GIストーブなどほこりかぶって20〜30台棚に陳列していたり、赤ランタンなどは200台は軽くありました。

前書きが長くなりましたが、この彼に会いに行ったのは勿論“オールドコールマンを売ってもらう”目的がありました。ちょこちょこっと話をし、とにかくガレージ(ちなみに2つありました)の中を探検させてもらいました。するとあるはあるは、ほしいものが何でもあるは状態。ランタン、ストーブをはじめ、廃盤パーツなどの数々。「とりあえずほしいものピックアップするから、後で値段交渉させて〜っ!」言って、勝手にあちらこちらから引っ張り出してきました。

う〜ん、その後30分くらいでしょうか、ガレージの前に引っ張り出したコールマン達を前に値段交渉。。。。。ペンと紙を取り出し、1点1点小さなパーツからランタン、ストーブなどなど計算し出した値段は、「$700.00」、なっ七百ドル!! 彼の答えに絶句し、予算オーバーのため、さらに交渉できる限り交渉しましたが、ほしいものの半分も手に入れることができませんでした。確かにコレクタープライスであれば、あれだけの物700ドルとお値打ち出しされて当然と言えば当然でした。

こんなコレクターからオールドコールマンを手に入れる時、ガレージセールで手に入れる時、蚤の市で手に入れる時など、色々な場合がありますが、色々な人と会い、話、交渉し、お互いに楽しい一時を過ごしながらオールドコールマンを探すのは本当に楽しいですね。これからも当分はこんな生活が続きそうです。