昨年末(2003年)は、アメリカでもうすでに10年以上暮らしているため、日本人にとってやらなくてはならない年末の行事である「大掃除」をすっかりと忘れたまま年を越してしまいました。アメリカと言うお国柄、11月のサンクススギビングホリデー(感謝祭)で七面鳥やらハムやら、たっぷりとご馳走を頂き、その余韻がまだ残っている中、次はクリスマスでまたご馳走を食べ、日本で言う師走、大晦日にあたる年越しの頃は、皆すっかりエネルギーを使い果たしてしまい、気づくと年が明け、1月1日(元旦)が休みになるだけで、翌日からは仕事開始となります。しかし、今年2005年の正月は土曜日ともあり、その代休として31日の金曜日から年明け2日まで幸運にも3連休となり、例年より少しはゆっくりと正月気分を楽しむことが出来ました。
年明け1週間ほどにある今夜、そんなことを思いながらすっかりホコリの溜まった棚の奥から、1通の茶封筒を取り出してきました。暫く置きっぱなしになっていて、すっかりそこにあることすら忘れていましたが、1951年2月2日付けのコールマン社からの手紙が入っている茶封筒です。他にも数通、ハンディーサイズのブックレットが入っていますが、それらを配布するにあたり書かれた一枚のカバーレターを改めて拝読してみました。A.O.Beyerと、当時の担当者でしょうか、最後に実筆のサインが添えられています。
そもそも当時コールマン社の製品や認定リペアショップだったディーラー向けに配られた手紙ですが、コールマン社の歴史を回想すると共に、その当時の歴史そのものまで感じることができました。その手紙からの抜粋となりますが、一部を和訳でご紹介させていただきます。
「……戦争物資を供給するためのマテリアル不足により、いくつかのモデルは製造を中止せざえるおえません。例えば、モデル530・GIストーブやこれらに類する製品は、戦場へと運ばれますので、今年は提供することができません。すでに注文のある530分については、ベストを尽くし提供できるよう努力しますが、新たな注文は受ける事ができません。」、「私達にとってゴールデンイヤーである1950年は、皆様のおかげで成功を遂げる事ができ、非常に感謝しています。私達は今後も、"the
Best of it's kind"として努力して行きます。」
この他にも詳細を見ると、391Aと395ホットプレート、テーブルランプ、モデル152と152A、そしてNo.12ガソリンアイロンと、物資不足のため製造を中止しなければならないモデルが多々あったようです。このように、窮地に立たされていた状況にもかかわらず、決して屈しることなく、常に前向きな姿勢で取り組んでいるコールマン社の姿勢が心身と伝わってきました。
A portion of cover
letter from The Coleman Company, Inc.
オールドコールマンを収集するにあたり、このようなペーパーワーク(書類)やカタログなども同時に収集すると、歴史の変遷や変動と共に、さらなる楽しみが出てきますね。
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