最近、「どうしたらそんなにランプやランタンを綺麗にすることができるのでしょうか?」といった内容の質問を多く受けています。決してプロフェッショナル気取りで書くつもりはありませんが、コールマンコレクターの方々のために、いつくかのティップ(ヒント)を紹介します(*1928年製造のカナダ製・ニッケルタンクのモデル220にて実演したレポートです)
まず、はじめに完全にランタンを分解します。粒子の細かいサンド(砂)を利用したサンドブラスト(注:圧縮空気の力で、砂の微粒子を拭きつけ、表面を綺麗にする方法。元は錆取り用として開発された機械です。シテアリングシルバーのジュエリー仕上げなどにも利用されています。他にビーズを利用した、ビーズブラストも有り)にて、スチールと真鍮部分をブラストします。その後、6インチ(約15センチ)のミディアムグレードのワイヤーブラシを、1/4
h.p.の回転スピードに設定した電動モーターに取り付け、バフィング(磨き)します。また、ハンドワイヤーブラシやミディアムグレードのスチールウールタワシでも同じ効果があると思います。
ニッケルプレーティング部分を綺麗にするために、私はトイレットボウルクリーナー(*注:トイレの内側の汚れを落とす洗剤)を利用します。とても効果がありますよ!。クールエイド(*注:粉末状のものを水でといて飲む清涼飲料水)やお酢の中に1時間も漬け込む必要はありません。これはほんの数分で効果が出ます!
タンクや他の部品が入る大き目のプラスティック容器の中に、3オンスから4オンス(約90CCから120CC)のトイレットボウルクリーナー液を入れます。ゴム手袋をはめ、目を保護し、クリーナーのにおいを鼻から吸い込まないようにします。
使い古しの塗装用ブラシで、ニッケル部分を2-3分塗布します。この時、タンクの穴(フュエルバルブ挿入穴)はふさいでおくのが良いです。もし、それをせずにタンク内に液が入ってしまったようであれば、せっかくなので中の汚れを落としてあげれば良いと思います。
しばらくすると黒い汚れが取れるので、水でよくすすぎ、よく乾かします。私はこれまで、この方法でニッケルそのものを剥離させてしまったようなことはありません。
もしサンドブラスターがない場合、小さな部品については、トイレットボウルクリーナー液の中に入れ、ブラシやスチールウールを使って汚れを落としてもOKです。その後、パーツをよく水で洗い流し、乾燥させたところで、ワイヤーブラシかスチールウールを使って磨きます。フレーム部分については、あまり時間をかけ過ぎるとピンク色に変色してくるので注意が必要です。パーツはすばやく取り出し、そして水ですすぎ洗いをしてください。
サンドブラストをしないパーツは、トイレットボウルクリーナー液につけた後、#0000(一番細かいグレード)のスチールウールで磨きます。私はポリッシングには、Grobet-Dixon
Rouge #47.467(製品名)を、電動モーターに布のバフィング(磨き)プレートにつけて磨きます。
もし電動バフィングモーターがなく、またGrobet-Dixonが手に入らなくても、他のAutosol(製品名)などの研磨剤を使い、手磨きすることもできます。
ホーロー加工されたベンチレーターと、ペイントされたタンクには、決してトイレットボウルクリーナーまたは、塩酸は使わないで下さい。ベンチレーターに付着した黒いすすは、タイヤクリーナーを吹き付け、ブラシやスチールウールで取り除きます。
ここ最近、ベンチレーターが熱い時に、何かを上からまかれた状態のランタンを2台手に入れました。これはまさに悪魔を払い落とすがごとく、ひどい状態でした。そこで、#0000のスチールタワシにたっぷりと細かい研磨剤を付け、汚れが落ちるまで擦りました。その後、その2つのベンチレーターは、新品同様に蘇りました。ホーロー加工されたベンチレーターは、いつもこの方法で本来の姿(綺麗さ)にしています。目の細かいスチールウールは、ホーロー部分を傷つけるようなことはありません。
ペイントされたタンクには、目の細かいTurtle Wax研磨剤(車磨きに利用するコンパウンド)を使い、その後、輝きを持たせる為、車用ワックスを利用し、光沢をつけます。
もし、ニッケルが剥離してしまっている場合、もはやそれを回復させる方法は無く、全てを剥離し、再度ニッケル加工するほかありません。
サンドブラストまたは、クリーニングしたスチール・メタル部分には、WD-40(呉556スプレーと同タイプ)を錆防止のためにスプレーします。
少しは皆さんの役に立つことを願っています。
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