リペアガイダンス
Lighting Coleman Factory

メンテナンスに必要な基本ツール・便利なもの(参考です)


皮手袋・レンチ各種(インチレンチ・モンキーレンチなど)・大小スクリュードライバー(プラス・マイナス)・万力(バイス)・チェックバルブレンチ・プライヤー・フレキシブルライト(懐中電灯)・錆び取り剤・コンパウンド/研磨剤(細かいもの)・磨き用タオル・ガラス瓶・歯ブラシ(電動歯ブラシ)・スチールウール(#1000くらいのファイングレード)・紙やすり(細かいグリッド・耐水ペーバー)・キャプレータークリーナー・呉CRCなどオイルスプレー・中性洗剤・ルブリキャント(潤滑油)又は自動車オイル・ホワイトガソリン・その他(ケースバイケースで必要なものがあります)

*安全性を考慮し、基本的にはタンク内の燃料は抜いた状態で、整備点検を行うことを前提としています。

《ポンプ/チェックバルブの点検》 難易度☆☆
必要なツール他:プライヤー(先細)、ドライバー、ルブリキャント(潤滑油)、キャブレタークリーナー

整備が必要と思われる際の症状>オイルを注し、 ポンピングしても全く、またはなかなかタンクに圧力がかからない。


REF#1

《ポンプ部》

年式により多少異なりますが、ベーシックなタイプの基本的構造を元に、説明をさせていただきます。ポンピングを行うポンプ自体は、筒状のポンプシリンダーと呼ばれる箇所に収まっていますので、ポンプのキャップ部分を留めているクリップまたは、ビス(主に50年代くらいまでのモデル)を外し、ポンプをシリンダー内から抜き取ります。

*注:クリップで留められているモデルのクリップを取り外す場合は、先の細いプライヤーを利用し、タンクを厚めの布などで覆った上で、外してください。クリップ自体に反発力がありますので、プライヤーがすべり、時折タンクに傷を付けてしまうような時がありがちですので、注意してください。クリップとプライヤーの間に、ラバー(ゴム)シートを少しかませてあげると、すべることなく簡単に外すことができます。ビス留めの場合は、ビスの山(マイナス)をなめることのないように、サイズのあったマイナスドライバーを90度の角度にあて、程度な力を入れた上で、取り外します。*REF#1

 
REF#2&3

ポンプシリンダー内で、ポンプの先端についているポンプカップ(特に皮製)が、硬直した状態でくっついている場合がありますが、その際はルブリキャント(自動車オイルでも代用可)を少し垂らすと、多くの場合は簡単に抜くことができます。*無理に抜こうとすると、ポンプカップが引きちぎれる場合がありますので、できることであれば、上記方法をお勧めします。硬直した皮製ポンプカップの場合、オイルに漬け込むことで、再生させることができる場合が多々あります(不要な出費を防げます!)。ポンプカップが上の状態くらいであれば、まだまだ再利用は可能な程度です(目安)。*REF#2&3

 
REF#4&5

シリンダーからポンプを抜き取った後、次はシリンダー内の奥からにょきっといった具合に、1本のステム(チェックバルブステム・棒)が伸びていますので、時計とは逆さに回転させ、取り外します。この後、ポンプ先端についているポンプカップの点検をします。古いモデルであれば恐らく皮製ポンプカップ、そして比較的新しいモデル(主に1980年代以降)の場合は、ネオプレーン製ポンプカップが取り付けられているはずですので、いずれにせよ、その状態を点検します。

皮製の場合、硬直しパリパリ状態になっている場合でも、@呉CRCなどのスプレーを散布、Aその後、自動車オイルに漬け込み、やわらかくし形を整え直す過程を踏むことで、蘇させることができるケースが多々あります(完全に磨耗している、破れている箇所がある、やわらかくならない場合などは交換要となります)。ネオプレーン製ポンプカップについては、磨耗、破れがない状態であれば、ルブリキャントを注す程度でOKだと思います。ジェネレーターと同様に、ポンプカップは定期的に交換して損のない部品ですので、この際新品に交換するのも良い選択だと思います。*REF#4&5

《チェックバルブ部》

チェックバルブステムを取り外すと、シリンダーの奥にはチェックバルブと呼ばれる小さな“弁”があり、その中にさらに小さなボールベアリングが入っています。この小さな部品ですが、コールマンを代表するエアープレシャー式のランタン・ストーブにとっては、大変重要な部品であり、かつデリケートな部品でもあります。タンク内にエアー(圧力)がかからない、火力が不安定など、原因がここにある場合が多々あり、安定した火力を保つためにも、重要な点検チェックポイントです。フレキシブルライトなどでシリンダー内部を覗き、もし、古いルブリキャント、汚れ、ごみなど、内部が汚れている場合、洗浄ならび基本動作点検をする必要があります。

まず、タンクを両手で持ち上げ、左右上下に振ってみます。その際、チェックバルブに耳を傾け、「カラカラッ」とボールベアリングが動く音がするかを確認してみてください。まったく音がしない場合、ボールベアリングが付着してしまっている可能性があるので、本来の役目をすることができませんので、まずは洗浄してあげる必要があります。洗浄には、車のキャブレタークリーナー(スプレー)を利用します。ただし、キャブレタークリーナーは、容易にタンクのペイントを溶かすくらいの強いケミカルですので、主にペイントされているタンクには、かからないように注意してください。

一気に散布することなく、ゆっくりとシリンダー内にキャブレタークリーナーを散布します。チェックバルブが漬かる程度散布し、15分から30分ほど放置します。

次に、シリンダー内にキャブレタークリーナーを散布して15分から30分が経過した後、ゆっくりとシリンダー内に残っているキャブレタークリーナーを捨てます。その際、シリンダー内、チェックバルブ内、ボールベアリングなどに付着していたごみや汚れなど、きれいに取り除くことができます(*キャブレタークリーナーの残りは、古新聞などにしみこませて捨てると、処理が簡単です)。

この時点で、ポンプカップ、チェックバルブの点検ならび洗浄が済んでいるので、分解した際の逆をたどり、@チェックバルブステム→Aポンプ本体をシリンダー内に挿入→Bポンプキャップ部をはめる、の順で元に戻し、次にテストに入ります。

まずタンクのガスキャップ、点火バルブをしっかりと閉め、ポンピングを通常の点火作業を行う要領で40−50回程度行います。その後、点火バルブを開き、空気の流動性を確認します。ランタンであれば、バーナーキャップ部からの音、ストーブであれば、バナー部からの音の出具合で、状態の良し悪しを判断することもできますが、安定した状態の空気の流動性と音が確認できれば、とりあえず状態は良しと判断し、実際に点火テストを行い、最終的な状態を確認します。

上記の手順で点検を行った後でも、まったくタンク内に圧力がかからない状態である場合、チェックバルブ自体が交換を要している状態の可能性がありますので、チェックバルブを交換してあげる必要がありますので、以下《チェックバルブ交換》の項を参照してください。

《チェックバルブ交換》 難易度☆☆(チェックバルブレンチがない場合、難易度100倍です!)
必要なツール他: チェックバルブレンチ(U.S.モデル用または、カナダモデル用必要に応じて)

チェックバルブ自体には、マイナスのレンチ溝(ねじ山)が掘られていますが、安易にマイナスドライバーで外そうとすると、ねじ山をなめてしまい、結果ランタン・ストーブそのものを利用できなくなってしまう事態になる恐れがありますので、専用のチェックバルブレンチを利用することをお勧めします。チェックバルブは、U.S.モデル用とカナダモデル用と2種類有り、サイズが異なりますので、注意が必要です。
*チェックバルブレンチ、日本ではU.S.モデル用はこちらで、カナダモデル用はこちらで購入できます(当方オンラインショップへの注文ではありませんので、ご注意ください。当方からは商品紹介のみとなります。購入は、ナチュラムさんへの直接注文となります)

 
REF#6&7

チェックバルブステムを取り外した状態で、チェックバルブレンチをポンプシリンダーに挿入し、チェックバルブの溝にきちんとかみ合った状態を確認した後、チェックバルブを押さえつけるような方向に力を加え、レンチを回し取り外します。*REF#6&7

 
REF#8&9

取り付けは、新しいチェックバルブ(ステムから取り外し)をシリンダー内にゆっくりと滑り込ませます。ねじの溝同士が正確にかみ合った状態を確認しながら、チェックバルブレンチで締めこんでいきます(強からず弱からず、適度な力で)。新しいチェックバルブを取り付けた後、ポンプ本体を取り付け、上記で行ったテスト(点火テスト)を行い、最終確認します。*REF#8&9 *現行のチェックバルブには、ゴムパッキンが付いていますが、昔のものには付いていませんので、漏れを防ぐためにも接地部分にオイルを少し付けてあげて取り付けてください。



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