まずは紙とペンを用意する(#1) |
ポンプ細部を確認する ボールナットを外し、ベンチレーター、そしてガラスグローブを外した状態から説明をさせていただきます。※タンク内のホワイトガソリンは空にした状態で作業は行うことが前提です。 まず、分解作業に取り掛かる前に、一枚の紙とペンを用意し、タンクの縁に沿って円を描きます。そして、クリーニングニードルの位置、バルブの位置ほか、フレームの位置に対しそれぞれがどのポジションで収まっているか、写真のような感じで記録をしておきます。 200Aなどの場合、このようなことは不要ですが、220系の場合、微妙な位置関係でアッセンブリーされているため、220系を分解する時のセオリーとして覚えておくと、意外と役に立ちます。 |
まずは紙とペンを用意する(#2) |
ポンプ細部を確認する こんな風に自分で分かるようであれば、時間を掛けて丁寧に記録する必要はありません。 余談ですが、ついでにお話をさせていただくと、特に220系ランタンには工場出荷時点から、『へそ曲がり』が以外と多く見られます。もし『へそ曲がり』に遭遇した場合、この『へそ曲がり』のポジションが最もしっかりと締まるポジションである可能性がありますので、『へそ曲がり』は『へそ曲がり』のポジションのまま、記録し、そして再度組み立てる際は、『へそ曲がり』のポジションで組み立てるのがベターかと思います。 ※『へそ曲がり』については、ワークショップのコーナーにあるこ『オールドコールマンはへそ曲がりが多し!?』と題したアーティクルをご参照ください。 |
ジェネレーターを外す |
ポンプ細部を確認する ジェネレーターを留めているジャムナットを緩め、ジェネレーター本体をバルブアッシーから外します。ネットを舐めるようなことはないと思いますが、サイズの合ったレンチを利用してください。
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ポンプ細部を確認する 次に、フレーム内に伸びているインテークチューブを留めている小さなビスを外します。 実演で利用しているもでるにはマイナスビスが付いていますが、モデルF以降にはプラスネジが付いているようです(2枚目の写真参照)。 尚、このネジを外し際、フレームの下の部分がやや邪魔をし、スクリュードライバーがネジに対して直角に当てにくい位置にあります。その為、ステム(棒)の部分が可能な限り細身のスクリュードライバーを利用し、可能な限り直角で回すようにします。 また、このネジは錆で固着しているほか、意外と固く締まっている場合が多々ありますので、固着しているネジを緩めるスプレーを散布してから行うのが良いです。 ※マイナスネジ、プラスネジ、いずれの場合もネジ溝にしっかり合うスクリュードライバーを利用するのがポイントです。
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インテークチューブを留めているネジを外す(#2) |
※※を外す ネジはこんな程度の深さです。 |
インテークチューブ本体を回しながら外す
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※※を外す 上のネジが外れると、インテークチューブ自体はフリーになりますので、この写真のようにミキシングチャンバー付近を持ち、回しながら外していきます。 この時、ミキシングチャンバーを留めているネジが付いていますが、外す必要はありません。このネジを外してしまうと、ミキシングチャンバー本体が先に緩んでしまう可能性があります。 |
そしてバルブから外す
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カラーを外す インテークチューブを回して行くと、このような感じでバルブから外す事ができます。 |
クリーニングティップを緩める
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バルブノブを緩める 次に、クリーニングティップを緩めます。サイズの合うレンチを利用し、奥に位置している小さい方の六角ネジの方を緩めます。 |
クリーニングティップを外す
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バルブノブを外す さほど深くはありませんので、数回レンチで緩めると、後は手で外す事ができます。バルブ内にはエクセントリックブロックが残っていますので、失くさないように注意してください。 ※この部分を再組み立てする時、エクセントリックを引っ張った上体でクリーニングティップを締めこんで行きます。引っ込んだままの状態で組み立てると、エクセントリックブロックの溝にクリーニングティップの先端が組み合わさりませんので、動作しなくなります。 |
バルブ下にある六角ネジを緩める |
ポンプを外す この六角ネジがフレームを固定しているネジですので、サイズの合うレンチを利用し、緩めます。この時、名一杯に緩める必要はありません。フレームが少しぐらつく程度の緩め方でOKです。 |
バルブ(上部パーツ)を外す
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ポンプシリンダーを外す フレームがぐらつく程度、上の六角ネジを緩めたら、220系を分解する上で一番の難所ともいえるバルブを外します。個々にその方法やアイデアはあると思いますが、私の場合はめがねレンチとソケットレンチのエクステンションを利用します。 |
バルブにフィットするレンチを利用する
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ポンプシリンダーを外す(奥の手) 写真でご覧いただける位置に、レンチをあてがいます。実演で利用しているモデルには、インチサイズで9/16がフィットしますが、モデルF以降のバルブには1/2がフィットします。 この方法を用いた場合、ややレンチの当たる部分に傷が付く可能性がありますが、致し方ないかもしれません。 参考まで、モデル220Fに利用されているバルブ(3枚目の写真の左側)と比較してみました。やや細身のため、9/16ではぐらついてしまいます。 |
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ポンプの弁部分を分解する 利用するツールにより、1枚目の写真の方法を取るか、2枚目の写真の方法を取るかを判断してください。 この判断基準ですが、30センチほども長さのある長いめがねレンチを利用した場合、1枚目の写真のポジションが取れます。 これに対し、一般的なめがねレンチを利用した場合、恐らく2枚目の写真のようなポジションとなると思います。 理想としては、長いレンチを利用し、1枚目の写真のようなポジションが望ましいです(この後の作業がやりやすい)。 |
いざバルブを外す準備をする
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ベアリングホール内をクリーニングする これもある意味、独自の方法ですので、必ずしもこの方法がベストと言うことではありませんので、ご理解下さい。 写真のように、ソケットレンチのエクステンションの部分を万力にしっかりとくわえさせ、その真ん中にめがねレンチを通します。 |
レンチをバルブに固定させ外す
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ガスキャップの外し方(裏技) ややコツを要しますが、この写真のようなポジションでレンチをバルブにしっかり固定させます。 実演では一般的なめがねレンチを利用していますので、やや作業のしづらいポジションを強いられての作業となっています。 この場合、万力とフレームが当たらないポジションを構え、レンチが外れないように前方へやや力を入れ、タンクをしっかりと押さえた上体で回します。 |
フレームを外す
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分解した状態 バルブが緩めば、上のポジションから外し、平らな場所でフレームのベイルを持ち、やや持ち上げるような感じでもう一方の手でバルブを緩めていきます。 バルブが完全に外れれば、フレームが一緒に外れます。 ※バルブを緩める際、カラーでタンクが傷付かないように気を遣いながらゆっくりと回して行きます。 |
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参考 バルブの上部パーツは、結構な深さのネジ溝ですので、丹念に回すのがコツです。 2枚目の写真は参考ですが、インテークチューブに直結する部分のチューブは、このようになっています。尚、この部分は、必ずしも取り外さなければならない部分ではありません。 |
ディレクションディスクとノブを外す
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使用したツール バルブに付いている小さなビスを外し、ディレクションディスクとノブを外します。 |
カラーを外す |
使用したツール バルブに付いている小さなビスを外し、ディレクションディスクを外します。
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バルブステムを外す(#1)
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使用したツール バルブステムに付いている六角ネジを緩め、バルブステムを外します。
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バルブステムを外す(#2)
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使用したツール こんな感じに結構深くまで入っていますので、ある程度緩んできたら、後は手で回しながら外します。 ※バルブステムを外した後、先端のとがっている部分を床や固い地面などに落としてしまったりすると、先がゆがんでしまい機能しなくなりますので、注意してください。
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タンクからバルブ(下部パーツ)を外す
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使用したツール 万力に、写真のような厚めのタオルをあてがいます。 次に、タンクを逆さまにした状態でバルブを平行にはさみ固定させます。この際、決してがっしりと万力を締め上げることはせず、タオルの厚さでぐらつきが出ない程度の締め付けにしておきます。 タンクを両手でしっかりとつかみ、力をこめてゆっくりと回します(※このような体制で回す場合、左回しでバルブは緩みます)。 またこの際、ゴム手袋を使うと以外と便利です。 ※がっしりと万力で締め付けてしまうと、バルブ自体がゆがんでしましますので、絶対に強く締め上げてはいけません!
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バルブをタンクから抜き取る
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使用したツール バルブはいったん緩めば、後は手で回りますので、バルブをタンクから抜き取ります。 写真のように、タンク内にはフュエルチューブが納まっていますので、バルブから取り外し、内部をキャブレタークリーナーを適量散布し、クリーニングします。
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ポンプを外す
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使用したツール 実演に利用のモデルは、ネジタイプのポンプキャップですので、回して外します。これ以外、多くのほかモデルに起用されているポンプキャップは、クリップ式ですので、そのクリップを外しポンプを外します(抜き取る)。
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チェックバルブステムを外す
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使用したツール ポンプを外すと、内部に固定されているチェックバルブからチェックバルブステムが伸びていますので、ペンチなどはさみ、そして外します(左まわり)。
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チェックバルブを外す
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使用したツール この作業はオールドコールマンのクリーニングでは誰もが手馴れた作業だと思いますので、詳細は省かせていただきます。 今回の実演モデルは、一般的にほとんどのモデルで利用できるチェックバルブレンチ(一枚目の写真の上の方)ではややシリンダー径が細く入らない為、今回はその下にあるチェックバルブレンチを利用しました。 2枚目は、クローズアップ写真です。3本つなぎのソケットレンチタイプです。
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今回利用したツール
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使用したツール 特に変わったツールは利用していません。至ってオーソドックスなツールです。※万力は写っていません。
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補足
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使用したツール インテークチューブに付いているミキシングチャンバー、そしてバーナーチューブは、本体を分解する上でこれらも取り外さなければならないようなことはありませんが、くもの巣が張っていたりする場合がありますので、一応確認しておくのが良いです。 尚、ミキシングチャンバーを留めているビスですが、このビスは非常に高熱の影響でもろくなっているケースが多々ありますので、外す必要がなければ、バーナーチューブを外すまでとどまるのが良いかもしれません。
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分解した状態
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使用したツール 全てを分解した状態ではありませんが、上の写真の作業では、こんな状態まで分解ができます。
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分解をするにあたり一言
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使用したツール 同じモデル、同じ年代でも、オールドコールマンはそれまでの利用状態、保管状態、メンテナンス状態により、そのコンディションはまさに様々です。 場合によっては分解をし、メインテナンスをした後に点火しなかった、燃料がリークするようになってしまったなど、予想も付かない結果となる場合もありえます。現状で分解をする必要がきわめて低いと判断できる場合、分解したい気持ちを抑えるのも、時には必要かもしれません。 と偉そうなことを言いつつ、ついつい何でもかんでも分解してしまうのが、オールドコールマン好きの性(さが)ってやつですね!
Enjoy Old Coleman!
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