ジャンボガスランタンの分解修理

もうどれくらい経つのでしょうか、最後に灯りを灯されてから・・・・。また一体いつ頃まで、鶏の鳴き声がする鶏舎内を夜な夜な灯りを灯していたのでしょうか。熱烈なオールドコールマン好きの方の依頼を受け、レストアすることとなりました。今回、要所要所に写真を撮ることができず、スナップショット的な簡単な説明のみとさせて頂きます。


ガスキャップを外すとこんな感じでした。タンク内部は予想通り、相当な錆びが出ていました。


ベンチレーター内部。


こちらは表側です。


バーナー部分はこんな感じに。レストアのし甲斐がかなりありますね・・・


マイカグローブは再生不能状態。



フレームもかなりの錆が出ています。


ポンプシリンダー内部は修復にかなり時間が掛かる結果に・・・。





(↑)バルブを外すとご覧のような長いフィードチューブのお目見えです。丈夫にあるポンプシリンダーか出ている細いチューブ内、 セメントのような状態になったものが詰まっていたため、修復に物凄く時間が掛かりました。方法はクエン酸漬け、劇薬系のとある液などなど試し、何とか内部の詰まりを綺麗にすることができました。

ひとまず分解してみました。写真には写っていませんが、カラー内部にはアスベストの襟巻きが巻かれています。 ※安全優先で早急に削除!


市販のクエン酸を使うこともありますが、通常庭に生えているレモンの木からレモンをいくつかもぎ取り使っています。この程度の汚れの場合、約2〜3日ほど漬け込みます。

タンクは錆取り処理前にひとまず洗剤で内部の錆や埃を洗い流します。


ベンチレーターは微妙にニッケルが薄利されている部分が確認できたため、 手磨きで少しづつ輝きを取り戻してあげます。


上(↑)はタンク内の錆取りからシーラント加工などを終え、組みなおす前の状態です。ブラス部分はまだまだ磨き込みが足りない状態ですが、苦戦したベンチレーターはそこそこの状態まで復活させることができました。


こちらはシーラント加工したタンク内部の状態です。十分に時間を掛け乾燥させた2層加工です。 これから先また何十年と快調に明かりを灯していただくことが可能です。

以下(↓)動画にて点火状態をご覧頂くことができます。

 

タンク内の錆取り処理

1970年代以降のランタンであれば、タンク内に錆が出ているようなことはさほどありませんが、上記のランプのようなかなり古いモデルとなると、その外観以上にタンク内に錆が出ていることが多々あります。最悪の場合、錆で腐食したタンクに穴が空いているようなこともあります。

実際、振ると“シャカシャカ”と音のするタンクから出てきたものは、このような錆の塊です。ここまで錆が出ている場合、タンク内の錆をしっかり(または可能な限り)取り除き、それ相応の処理をしてあげる必要があります。

上記(↑)の写真は別の同年代のランプから出てきた錆です。実は一度相応に錆取りをし、タンク内を十分に洗浄、そして乾燥させ内部にシーラント加工をする段階まで来ていました。ところが、タンクに異常が無いかを調べている最中、インテークチューブが完全に遮断(何かが詰まっている感触)いるのに気が付きました。『う〜ん』と考えた挙句、こんなところが詰まる理由が見当たらず『錆』の疑いを持ちました。

写真内に見える鉄の細い棒でチューブ内を“コツンっ、コツンっ”と突付くとコンクリートでも詰まっているような感触・・・・???途方に暮れた挙句鉄のハンマーでその細い棒の上部を強く叩いてみました。するとどうでしょう、何とも言えない感触と同時に、錆の塊額だけ一気にタンク内になだれ落ちてきました。下(↓)はその拡大写真です。

こんな状態とは気づかず、シーラント加工をしてしまうところだったと思うとぞっとします。

さて本題に戻りますが、シャカシャカとする錆を一様にタンクから可能な限り出した後は、このようにまずはじゃぶじゃぶと水洗いをします。錆の程度にもよりますが、錆色の水が出てこなくなった時点でひとまずよしとします。

こちらは錆取り剤を投入しているところです。ジェリー状のものを使用しているため、一定の量を流し込んだ後、水を注ぎ足しタンク内を一杯にします。最低2〜3日は放置した後、洗浄へと進みます(※錆の度合いによっては数回繰り返すこともあります)。

こちらはシーラント上記(↑)は4回〜5回ほど濯いだ状態ですが、依然として少量の錆のが出てきます。できる限り錆の塊が出なくなるまで濯ぎを繰り返します。

こちらはシーラント熱線式のヒーター(とは言え、調理用のストーブですが・・・)を使い、内部を十分に乾燥させます。この写真では確認しづらいですが、ガソリン注入口から湯気が出てきています。目安としてこの湯気が出てこなくなった頃を見計らい終了します。※注意:この時点ではかなりタンクが熱くなっていますので、火傷しないように注意が必要です(皮グローブ必須!)。

最後はご覧のようにヘアードライヤーを使い、完全に水分を飛ばします。この後、自然乾燥させるためさらに1週間ほど屋内に放置しておきます(念のため)。

こちらはタンク内部にシーラント加工を施し、一通りのメインテナンスを終えた状態です。同時にタンクを磨き上げてずいぶんと綺麗になりました。


ライティングコールマンワークショップ情報は随時更新させていただきます。

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