ホローワイヤーランプ・モデル25レストア(パート1) 当方の手元にやって来て以来お預かりすることゆうに数ヶ月、この間せかされることなくじっと見守っていただいているご依頼者の方には非常に感謝をしています。ここに来てようやく、お引渡しできる寸前を機に、時間を費やしたレストレーションの全容を記録に残したく思い、このページを設けさせていただきました。 このページを書いている今、上記の写真はつい数時間前に撮影したものです。『ビフォー&アフター』と、見違えるようになりました。実はここまでに来るまでの間、一言、そして写真数枚ではとても言い切れない、写し出し切れないドキュメンタリーとも言える膨大な記録があります。写真にして数百枚、その全てをお見せするのは限界がありますが、情報共有のためできる限りの説明と写真を添えさせて頂きます(ました)。 まずは目視での点検です。その真っ先に目に入ったのがこの部分。ご覧いただけるように点火させるための命とも言える燃料供給用のチューブが『プッツリ』と切断されていました...(う〜ん、どうしよう)。古い資料、ご依頼者からの情報、地元や遠方のハードウェアショップ通いに費やした時間2ヶ月ほど、最終的には何とか点火に結び付けるまでに行きましたがこの時点ではそんな時間が掛かるとは思っていませんでした。 大様の冠を思わせるような風貌、ニッケルプレートに現れるぽつぽつ(劣化)をじっくりと見つめ、頭の中には少しづつ戦略が...。 幸い、本体に繋がれている燃料供給用チューブの先端は無事なことを確認!しっ、しかし後にこの写真中央にあるO型の接続リングに大きな欠点を発見!この時点ではまだその欠点に気づかず...。
『うっ、動かない...』、錆び付きまくっているバルブ、下手に力づくで回してしまっては破損の恐れ有り!ペネトラントオイルを十分に浸透させ待つこと1週間。無事にバルブが回るようになるもこの後、ガソリンの漏れ、パッキンの削り込みでのカスタムチューンなど、このバルブの修復にはかなりてこずりました。 こちらは天井側に取り付ける部分のカバーです。一見すると単に劣化しているのかと思いましたが、実はこの部分全体的に銀色のペイント(※)が施され、その上からこんな劣化が始まっていました。(※)銀色のペイントはオリジナルではないと想像しています。 ひとまず、幸い残っていた当時の燃料配給チューブの部分を取り外してみました。唯一、代用できる部品探しの手がかりになるパーツ、お出かけ(代用品探し)の際は無くすことなく慎重に持ち運びをしていました。古いカタログによると左先端の部分(型番13J)とチューブの部分(型番No7)、そして途中のナット(型番13N)にマッチする代用品をこの先探すことになりました。 先に登場したバルブの部分のガスケットパッキンを削り込んでいるところです。元のパッキンはぼろぼろで燃料が水道の蛇口から溢れる水のように出てきました。現行品ではサイズが合わないため、微調整を繰り返しながら太からず、細からずのところまで慎重に削っていきます。
こんな風にガスケットパッキンを削り込み微調整を繰り返した結果、ジャストフィット! ニョきっと伸びるステム、良く見ると反っているのが分かります。実は同時に進行中のガスタンク(以下↓)にある2つのバルブの内の一つです。当初はしおれたお花のように曲がっていました。 オリジナルではありませんが、この時点で採用を検討していた“それらしき”ポンプです(手前)。
|
チェックバルブレンチ
オールドコールマンのメンテナンスには、チェックバルブレンチは必需品です。ライティングコールマンで主に利用しているものは1960年代頃のものですが、日本国内では大型アウトドアショップのナチュラムさんで入手できます。
転送サービスのご要請はこちらまで
ゴーグルの薦め オールドコールマンのメンテナンスには、ある程度の技術と知識が必要ですが、適切なツール(インチサイズのツールなど)のほか、目を保護するためにゴーグルの利用もお勧めします。 メインテナンスやレストアは手の感覚が非常に重要なため、主流は『手作業』となりますが、時と場合によってはコンプレッサーを使ったツールなどを使う場合もあります。 このような場合、思わぬことで眼球めがけてパーツの一部が飛び込んできたりなどなど思ってもいない怪我を負うことがあります。幸い、今のところ大きな怪我をしたことはありませんが、ゴーグルをしていたため大事に至らなかった経験をしています。 また、このページでご紹介した磨き作業にはラテックス製のグローブをご利用されることを強くお勧めします。さもなければ張り切ってぴかぴかに磨き上げたタンクとは対照的に、手は指紋の中まで真っ黒になってしまいます。
以前(だいぶ前ですが)、台風やストームシーズンには、プロパンガスタイプのランタンやストーブも意外と便利なことについて話題にしましたが、キャンプなどではなく公園や日帰りピクニックなどの時は下(↓)のようなプロパン式のストーブは結構重宝します。アメリカでは近所にあるような公園にもBBQグリルが備え付けてあり、自由に使うことができます。これらを使う手もありますが、場合によっては先客に取られ、予定したBBQができなかった・・・・など想定外のことも時には起こりえます。という事で、万が一のためこのようなプロパンストーブを備え持っていくようなこともあります。 |
|