グラファイトパッキン


オールドコールマンのメンテナンスやレストアには欠かすことのできないチェック箇所のバルブ内のグラファイトパッキンですが、年々値上がりをしているようですね。私は従来の筒型の既製品、粘土状のもの、そして上記写真のリボンタイプとを用途別に使い分けています。もう10年以上前になりますが、既製品タイプの大量生産をとある製造元に依頼しようかと思いますが、見積もりが思った以上に戦ったため、断念したことがありました。

さて、そのグラファイトパッキンですが、元の形は関係なく、その用途であるバルブからの漏れ防止とのことであれば、どのタイプも十分に用を足してくれます。極端な話ですが、既製品が割れてしまったような場合でも、その粉々になってしまったものをバルブに詰め、ぎゅっと締め付けて圧力をかければパッキンが再び生成され、再利用することなども不可能ではありません。とは言え、やはり新しいパッキンを使いメンテナンスをしてあげた方がその達成感と気持ちが良いですね。

写真のリボン状のグラファイトパッキンは縦の長さが約2.5センチとやや大きめですが、はさみで簡単に長さ調整ができ、またバルブの太さもモデルに合わせて簡単に調整できますので、もっかこのタイプのパッキンを使うことが多くなってきました。



オールドコールマン・レストレーション奮闘記パート1

以下にご紹介をさせていただくのは、『ここまでやるかっ!?』と、声を上げずにいられないほどオールドコールマンに情熱を燃やす、とある男(N氏)のレストレーション奮闘記です。挑戦、失敗、教訓と非常にためになるレポートを沢山いただいています。少しづつ、ご紹介をさせていただきます。

まずはじめは(以下↓)、モデル427のタンクのシーラント加工に挑戦された際のお写真です。何度シーラントをしても漏れが止まらずとのことで、複数回にわたりシーラントをされたようです。しかし、それでも漏れが止まらないためタンクを切断した結果、見事にシーラント加工の良い失敗例を体験されたようです。以下、ご本人のコメントです。

『シーラントを何回重ねても漏れが無くならず、中を開けてびっくり!重ねたシーラントが膨らんで固まってました。 一回一回乾かさず、固まったら足していたので、乾燥の途中にガスでも溜まったのかなぁ・・・? この242の穴あきタンク(※)は、切り出した427の「タンク底」を加工して貼り付けてみます。 コロナで毎日「暇」。嬉しいやら悲しいやら・・・でも、ランタンいじれるから、ヒマの方が絶対イイッ! 結果は報告しますネ。多分、予想外の失敗を多発すると思います・・・・。 』

(※)タンク底をひどくやられてしまっている242のレストレーションも同時に進行さえており、その242の底にこの427の切り出したタンク底を取り付けようともくろんでいます。

 

この上のタンク内の状態から、失敗の原因は恐らく2つあります。まず一つ目は一回目のシーラントを流し込んだ際、余分なシーラントを十分にタンク内から一滴残らず出し切らずにいた点、二つ目はタンクをごろごろと四方八方に転がしたりまわしたり、この作業をしながらシーラントを乾燥させる手順を怠ってしまったのが主な原因かと思います。またよーく見ると、タンク側面からシーラントが浮いている箇所が確認できますので、錆び取り後の下処理ももう少しまめに行ったほうが良かった感じです。また、シーラントは使いまわすと微妙ながら粘度が高くなり、スムーズに行き渡らないこともあるので、できれば一回で使い切るか、何台かまとめて加工するのが効率的です。

 

これも良い失敗例をここぞとばかりに再現してくれています。チューブが完全に詰まってしまっています。N氏はタンク内の構造は熟知しての作業だったとは思いますが、何せ中が見えない状態での作業ですので、誰でも一度はやってしまう失敗かと思います。タンクシリンダーの部分はシーラントがはじかれたような状態でシーラントが乗っていない点も見て取れます。

切り取った427のタンク、コースターにもなりそうですね。

『コレ、ちょっと見てッ! 242NLのベンチレター。クエン酸に漬けたら、下側の傘がボロボロに・・・』 N氏からこんな会話からメールが入りました。そして以下のコメント、修復の様子をご覧ください。

『頭抱えて、耐熱塗料を調色して下側の傘だけエアーブラシで塗装。「やつれ感」出すのに色々工夫しながら、今日出来上がりました。』



エアブラシで色をつける前の色を調整中の写真です。

テストピースを使っての焼入れテストが終了したところです。

そしてベンチレーターを塗装後、焼入れです。まさか毎朝パンを焼くのに使っているトースター!?

苦労した跡が随所に感じられる仕上がりですね。

まだまだ奮闘記は続きます。まめにお立ち寄りください。

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